嘉麻市政治倫理条例の取り組みから成立まで

この条例が制定されたのは一重に、九州大学名誉教授の斎藤文男先生のご指導を頂いたたまのもであり、まずは紹介方々御礼を申し上げます。

ことの始めは、平成18年3月27日に誕生したばかりの嘉麻市の大谷議長が、総務委員会・議会運営委員会に対し「全国でも厳しいといわれるような政治倫理条例を議員提案で制定すべく」と諮問をし、同合同委員会がたたき台を提案したことから起こりました。

私は、碓井町時代から政治倫理条例を策定すべきと、執行部に対して働きかけてきましたし、また、斎藤先生の政治倫理条例のつくり方(自治体研究者発行)を勉強してきました。
その関係で、このたたき台があまりにも異質であったため

・・・以下簡単に内容を紹介・・・
1.「資産報告書提出の条項がない」
2.「市長等や議員の市工事等に関して請負を辞退しようという遵守事項」が、「市が請け負わせすことはできないと禁止事項」
になっている点です。
自分としてはこの内容では納得いかず、これでいいのかどうかの判断がつきません。

迷った結果、平成18年7月24日に、まったく面識もなく伝もない、先ほどの著者である斎藤先生にアドバイスがいただけないか直接ご連絡したわけです。

先生は、私の申し出に対し嫌がるわけでもなく、面倒くさがるわけでもなく、資料を送付するよう申し出くださいました。 お言葉に甘えて資料を送付いたしましたが、早速、懇切丁寧な解説付で添削された内容が返ってきたのです。

この添削されたものを、議員有志や議会事務局、また文教委員会全員にも配布し読んでいただきました。 その結果、総務委員会・議会運営委員会でかなりな部分が取り上げられ、今日の制定になりました。
ただ唯一残念なことは市の禁止事項がそのままだったことです。

しかし曲りなりにも、政治倫理条例が議員提案で成立しました。
このことは斎藤先生のおかげであり御礼を尽くしても尽くしきれません。 日々お忙しいでしょうけど先生のご好意にはまったく頭の下がる思いです。嘉麻市民4万7千人に成り代わり、御礼を申し上げます。ありがとうございました。



65名の巨大議会

嘉麻市政治倫理条例
(斎藤先生の指導で2006年9月28日成立した分)

目次
第1章 目的及び責務(第1条―第4条)
第2章 政治倫理基準(第5条―第7条)
第3章 資産等報告書(第8条―第9条)
第4章 審査請求及び審査機関(第10条―第16条)
第5章 違反の措置(第17条−第23条)
第6章 雑則(第19条)
附則

第1章 目的及び責務

(目的)
第1条 この条例は、嘉麻市(以下「市」という。)の市長、助役,教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が地方自治の本旨に則り、市民全体の奉仕者として政治倫理の確立に努め、卑しくもその権限又は地位による影響力を不正に行使して、自己及び親族又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民が市政に対する正しい理解をもち、もって公正で開かれた民主的な市政の運営を確保することを目的とする。

(市長等及び議員の責務)
第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自ら進んでその高潔性を実証しなければならない。

(市民の責務)
第3条 市民は、主権者として自らも公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等及び議員に対し、その権限又は地位による影響力を不正に行使させる働きかけを行ってはならない。

(職員の責務)
第4条  職員(臨時職員及び嘱託職員を含む。以下「職員等」という。)は、市民全体の奉仕者としての責務を自覚し、本条例の趣旨を尊重し、不正又は不当な働きかけを受けないものとし、不正又は不当な働きかけがあった場合は、別に定める職員倫理規定に基づき、速やかに市長に報告しなければならない。

第2章 政治倫理基準

(市長等及び議員の遵守事項)
第5条 市長等及び議員は、第2条の責務に照らし、市民全体の奉仕者として公共の利益を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して自己又は特定の個人若しくは団体の利益を図るなど、不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしてはならず、次に掲げる各号を遵守し、その権限又は地位による影響力を行使することによって職員等の適正な職務執行を妨げてはならない。

(1) 刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4又は198条及び公職にある者等の斡旋行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条に該当するか否かを問わず、第1条の目的に照らし、その職務の公正を疑わせるような行為をしないこと。
(2) その権限又は地位による影響力を行使することによる見返りとしていかなる金品授受、飲食の供応その他これに類する行為をしないこと。
(3) 市が行う請負契約(下請契約を含む)、業務委託契約、一般物品納入契約及び地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条の2台3項の規定により公の施設の管理を行う指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定に関して特定の業者を推薦、紹介する等の行為をしないこと。
(4) 職員等の採用、昇格及び異動に関して推薦若しくは紹介をしないこと。

(市の禁止事項)
第6条 市は、次の各号の掲げる企業及び法人その他の団体(県、国及び他の地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)と請負契約を締結し、又は指定管理者の指定をしてはならない。ただし、市が出資する公益法人を除く。

(1) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族が経営する企業及び法人等
(2) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族が、報酬(顧問料その他の名目を問わない。)を受領し、又は役員として経営に関与している法人等
(3) 市長等及び議員の親族以外の同居者が経営する法人等
(4) 市長等及び議員の就任前1年以内に、市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族が経営権を有していた法人等
(5) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族並びに同居者が経営する法人等と取引上重要な利害関係を有する法人等(その系列企業を含む。)
(6) 行政の理念及び社会的倫理に反する行為として市民から批判の対象とされる企業及び法人等

(公職等の就任)
第7条 市長等及び議員は、市の機関の公職に就任するに当たり、次の各号に抵触する行為をしてはならない。

(1)市長等及び議員が、公職就任の手段としてその選任に権限を有するものに対する金品の授受、飲食の供応及びそれに類する行為を行うこと。
(2)議員が、法令及び市が定める条例並びに規則によりその就任が求められているものを除くほか、市が設ける行政機関の審議会委員等に就任すること。

第3章 資産等報告書

(資産等報告書の提出義務)
第8条 毎年5月1日現在、現にその職にある市長等及び議員は、1月1日現在の資産、地位、肩書、前年1年間の収入、贈与、税等の納付状況を記載した報告書(以下「資産等報告書」という。)を作成し、毎年6月15日から同月31日までに、市長等にあっては市長に、議員にあっては議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。

2 前項の資産等報告書の提出には、提出義務者の配偶者及び扶養又は同居の親族(以下「配偶者等」という。)に係る資産等報告書もあわせて提出しなければならない。
3 議長は、第1項及び第2項の規定により提出された議員の資産等報告書を提出期限から10日以内に市長に送付し、市長は、市長等の資産報告書とともに15日以内にこれを住民の閲覧に供さなければならない。ただし、前項の証明書類は閲覧の対象としない。

(資産等報告書の記載事項)
第9条 資産等報告書には、次の各号に掲げる事項を記入しなければならない。

(1)資産  ただし、固定資産にあっては評価証明書、預貯金にあっては残高証明書を添付
ア 土地 所在、地目、面積、取得の時期及び価額
イ 建物 所在、種類、構造、床面積、取得の時期及び価額
ウ 不動産に関する権利(借地権等)権利の種類、契約期日及び契約価額
エ 動産 価額が50万以上の動産の種類、数量、価額及び取得の時期(ただし、生活に通常必要な家具、什器及び衣類を除く。)
オ 預貯金 預入れ金融機関名、預貯金の種類及び金額、定期預金の預金日及び満期日
カ 信託 信託に関する権利の種類、受託者、信託財産の種類、数量、信託の時期及び価額
キ 有価証券 公債、社債、株式、出資その他の有価証券の明細、取得期日、取得価額、額面金額及び時価額
ク ゴルフ会員権 ゴルフ場等の名称、口数及び時価額
ケ 貸付金及び借入金 1件につき50万円以上の貸付金及び借入金の明細、契約期日及び金額
コ 保証債務 金銭保証、身元保証等の保証債務の内容及び金額(ただし、金銭保証については、同一人に対し総額50万円未満のものを除く。)
サ 貯蓄性保険 貯蓄性の生命保険、損害保険等の種類、保険会社名、契約期日及び保険金額
(2)地位及び肩書き
ア 企業その他の団体における役職名及び報酬(顧問料等その名目を問わない。)の有無及び金額(ただし、宗教的、社交的及び政治的団体を除く。)
イ 公職を引いた後の雇用に関する契約その他の取決めについての相手方及び条件
(3)収入、贈与及びもてなし  ただし、(収入にあっては確定申告書の写しを添付)
ア 給与、報酬、事業収入、配当金、利子、賃貸料、謝礼金、講演料、原稿料、農業所得、年金その他これらに類する収入の出所及び金額。(ただし、1出所あたり3万円以上のもの。
イ 1出所あたり3万円以上の贈与及びもてなし(交通、宿泊、飲食、娯楽等)の出所、内容及び金額または価額 (4)税等の納付状況(ただし、税にあっては、納税証明書を添付
ア 所得税及び事業税の前年分、市県民税、固定資産税、国民健康保険税、自動車税及び軽自動車税、消費税及び国民年金保険料の前年度分の納付状況
イ 普通地方公共団体に関する使用料等の前年度分の納付状況  ただし、使用料等にあっては納付証明書を添付

第4章 審査請求及び審査機関

(審査会の設置)
第10条 この条例による政治倫理の確立を図るため、法第138条の4第3項の規定に基づき嘉麻市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会委員(以下「委員」という)は7人以内とし、人格高潔にして政治倫理に関し専門的知識を有する及び法第18条に定める選挙権を有する市民のうちから、市長が委嘱する。
3 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。委員が欠けたときにおける補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
ただし、任期満了後における後任委員が選任までの期間は、その職務を行うものとする。

(審査会の職務及び権限)
第11条 審査会は、資産等報告書の提出、政治倫理基準に反する行為をした疑いがある場合又は第15条に定める住民の審査請求があった場合は、審査を実施し、その審査結果を市長に回答するものとする。

2 市長は、前項の規定により提出された審査結果のうち、議員に係るものについては議会議長(以下「議長」という。)
に、市長等に係るものについては審査結果の写しを、議長に送付しなければならない。
3 審査会は、第1項の調査を行うに当たり、関係人に対する事情聴取、資料提出等必要な調査を行うことができる。
4 審査の請求者及び審査の対象者(市長及び議員)は、前項の調査を拒むことができない。
5 審査の関係者(職員等)は、前3項の審査に必要な調査に応えなければならない。

(資産等報告書の審査)
第12条 議長は、第8条の規定により提出された議員の資産等報告書の写しを市長に送付し、市長は、市長等の資産等報告書の写しとともに、これを毎年7月15日までに審査会に提出し、審査を求めなければならない。

2 審査会は、前項の規定により審査を求められたときは、審査を求められた日から起算して90日以内に意見書を作成し、市長に提出しなければならない。
3 審査会は、資産等報告書に疑義があるときは、調査を行うものとする、この調査は、報告義務者に対する事情聴取、資料提出要求等のほか、その関係者に対しても必要な調査を行うことができる。

(資産等報告書及び意見書の閲覧)
第13条 市長は、前条第2項の規定により提出された意見書を提出された日から15日以内に市民の閲覧に供するとともに、その要旨を市広報等に速やかに掲載しなければならない。

2 議員に係る意見書については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
3 資産等報告書及び意見書の閲覧時期は、閲覧開始の日から5年間とする。 
4 市民は、閲覧により知りえたことをこの条例の目的に沿うように適正に活用しなければならない。
 

(会議及び委員の義務)
第14条 審査会の会議は、原則として公開とする。ただし、必要により非公開とするとき又は審査結果に利害を有する者の傍聴の許可は、出席委員の3分の2以上の同意を要する。 
2 委員は、職務上知りえた秘密を漏らしてはならない。また、その職を退いた後も同様とする。
 

(市民の審査請求権)
第15条 市民は、第4条、第5条、又は第6条及び第7条に違反する行為と認められる事案を知ったとき、あるいは資産等報告書に疑義があるときは、法第18条に定める選挙権を有する者の30人以上の者の連署を持って、これを証するもの又はその根拠となる理由を資料として添付し、市長等に係る事案については議長に、議員に係る事案については市長に、調査請求することができる。 

2 前項の調査請求がなされたときは、議長は議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを市長に送付し、市長は、市長等又は議員に係る審査請求及び添付資料の写しを、審査請求書及び添付資料の写しを請求された日から10日以内に審査会に送付し、審査を求めなければならない。
(審査請求の処理)
第16条 審査会は、前条第2項の規定による審査請求書の送付を受けたときは、送付された日から60日以内に市長に審査結果を文書により回答しなければならない。ただし、60日以内に審査が終了しないときはその理由を付して市長に、文書により審査期限の延長を求めなければならない。この場合において、審査期限の延長は30日以内とする。








第5章 違反の措置

(政治倫理基準に関する措置)
第17条 審査の結果、審査会において第4条、第5条、又は第6条及び第7条の規定に違反、若しくは資産等報告書に虚偽があるとの結果が出た場合は、市長は、その旨を市広報等で公表するものとする。

2 前項の場合において、市は、当該契約を解除しなければならない。また、第5条第4号に違反しているとの結果が出た場合は、契約を解除した日から1年間、当該企業と契約してはならない。
 

(その他政治倫理基準に反する行為に関する措置)
第18条 その他この条例に定める政治倫理基準に反する行為をした疑いがある場合は、市長は、審査会に調査を依頼しなければならない。

2 前項の依頼については、議員にかかわるものについては、議長が市長を通じて行うものとする。
3 審査会においてこの条例に違反しているとの結論が出た場合は、市長は、その旨を市広報等で公表するものとする。

(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)
第19条 市長等または議員が、刑法第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪及び公職にあるもの等のあっせん行為等による利得等の処罰にかんする法律(平成12年法律第130号)第1条その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑による逮捕後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。

(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第20条 市長等又は議員が職務関連犯罪による起訴後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めなければならない。

2 市民は、前条又は前項の規定による説明会が開催されないときは、法第18条に定める選挙権を有する者の30人以上の連署を持って、説明会の開催を請求することができる。
3 前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては起訴または不起訴の処分が成されるまでの間に、起訴後の説明会にあっては起訴された日から50日以内に、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長を通じて行うものとする。
4 市民は、説明会において当該市長等または議員に質問することができる。
5 市長は、説明会の開催に関して審査会にあらかじめ諮問し、意見書の提出を求めなければならない。
6 議員に係る意見書については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
 



(職務関連犯罪による有罪判決後の説明会)
第21条 前条の規定は、市長等または議員が同条の罪による有罪判決の宣告を受け、なお引続きその職にとどまろうとする場合に準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。

(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)
第22条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長等又は議員は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する住民の信頼を回復するため、必要な措置をとるものとする。

2 議会は、前項の議員に対して法第134条及び第135条の規定により懲罰を化さなければならない。

(逮捕後の給与、報酬の支払いについて)
第23条 職務関連犯罪の容疑による起訴後、市長等又は議員が、なお引続きその職にとどまっている場合において、起訴された日から失職又は辞職するまでの間、支給されるべき給与又は報酬は、供託するものとする。

2 前項の供託金は、市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、市に帰属するものとし、無罪が確定した場合においては、当該市長等又は議員に帰属するものとする。



第6章 雑則

(委任)
第24条 この条例に定めるほか、この条例の施行に関し、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第6条第4号の規定は交付の日から1年を経過した日の翌日から施行する
(検討)
2 この条例の施行後2年以内に、、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

斎藤先生からご指摘ご指導受けた点。
1.資産公開条項を設置すること。
2.政治倫理基準の定義をすること。
3.職員倫理条例を別立てで策定すること。
4.市民と住民の使い分け。
5.法人の定義。
6.主語の後に「、」を打つこと。
7.下請の定義。
8.市長等と議員等が遵守事項とすべきところ、市の禁止事項で処理することの可否。その問題点。
など都合5回添削修正(主なものだけを掲載)していただきました。

嘉麻市政治倫理条例(案)
(初期に議員提案された分)

目次
第1章 目的及び責務(第1条―第3条)
第2章 遵守事項(第4条―第6条)
第3章 審査請求及び審査機関(第7条―第11条)
第4章 違反の措置(第12条―第18条)
第5章 雑則(第19条)
附則

第1章 目的及び責務

(目的)
第1条  この条例は、嘉麻市(以下「市」という。)の市長、助役,教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が地方自治の本旨に則り、住民全体の奉仕者として政治倫理の確立に努め、卑しくもその権限又は地位による影響力を不正に行使し、自己及び親族又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する住民の信頼に応え、住民が市政に対する正しい理解をもち、もって公正で開かれた民主的な市政の運営を確保することを目的とする。

(市長等及び議員の責務)
第2条  市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、住民に対し自ら進んでその高潔性を実証しなければならない。

(市民の責務)
第3条  市民は、主権者として自らも公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等及び議員に対し、その権限又は地位による影響力を不正に行使させる働きかけを行ってはならない。









第2章 遵守事項

(市長等及び議員の遵守事項)
第4条  市長等及び議員は、第2条の責務に照らし、住民全体の奉仕者として公共の利益を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して自己若しくは特定の個人又は団体の利益を図るなど、不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしてはならず、次に掲げる各号を遵守し、その権限又は地位による影響力を行使することによって職員(臨時職員及び嘱託職員を含む。以下「職員等」という。)等の適正な職務執行を妨げてはならない。

(1) 刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4又は198条に該当するか否かを問わず、第1条の目的に照らし、その職務の公正を疑わせるような行為をしないこと。
(2) その権限又は地位による影響力を行使することによる見返りとしていかなる金品授受、飲食の供応その他これに類する行為をしないこと。
(3) 50万円以上の一般物品の契約をしないこと。
(5) 市職員の公正な職務執行を妨げ、その権限若しくはその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
3 職員等は、住民全体の奉仕者としての責務を自覚し、本条例の趣旨を尊重し、不正又は不当な働きかけを受けないものと市、不正又は不当な働きかけがあった場合は、速やかに上司に報告しなければならない。



(市の禁止事項)
第5条  市は、次の各号の掲げる企業と請負契約を締結し、又は指定管理者の指定をしてはならない。

(1) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等までの親族が経営する企業
(2) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等までの親族が、役員として経営に関与している企業
(3) 市長等及び議員の親族以外の同居者が経営する企業
(4) 市長等及び議員の就任前1年以内に、市長等、議員及びその配偶者又は2親等までの親族が経営険阻有していた企業
(5) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等までの親族並びに同居者が経営する企業と取引上重要な利害関係を有する企業(その系列企業を含む)
(6) 行政の理念及び社会的倫理に反する行為として住民から批判の対象とされる企業




(公職等の就任)

第6条  市長等及び議員は、市の機関の公職に就任するに当たり、次の各号に抵触する行為をしてはならない。
(1) 市長等及び議員が、公職就任の手段としてその選任に権限を有するものに対する金品の授受、飲食の供応及びそれに類する行為を行うこと。
(2) 議員が、法令及び視が定める条例並びに規則によりその就任が求められているものを除くほか、市が設ける行政機関の業務受託を受け、又は、審議会委員等に就任すること。
(3) 議員が、行政機関が報酬等の支給対象とする業務受託等の職に就任すること。










































































第3章 審査請求及び審査機関

  (審査会の設置)
第7条  この条例による政治倫理の確立を図るため、法第138条の4第3項の規定に基づき嘉麻市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2  審査会委員(以下「委員」という。)は7人以内とし、人格高潔にして政治倫理に関し専門的知識を有するもの及び法第18条に定める選挙権を有する市民のうちから、市長が委嘱する。
3  委員の任期は2年とし、再任を妨げない。委員が欠けたときにおける補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、任期満了時における後任委員の選任までの期間は、その職務を行うものとする。


(審査会の職務及び権限)
第8条  審査会は、政治倫理基準に反する行為を行った疑いがある場合又は第10条に定める市民の審査請求があった場合は、審査を実施し、その審査結果を市長に通知するものとする。

2  市長は、前項の規定により提出された審査結果のうち、市長等に係るものについては議会議長(以下「議長」という。)に、議員に係るものについては審査結果の写しを、議長に送付しなければならない。
3  審査会は、第1項の審査を行うに当たり、関係人に対する事情聴取、資料提出等必要な請求を行うことができる。
4  審査の請求者及び審査の対象者(市長等及び議員)は、前項の請求を拒むことはできない。
5  審査の関係者(職員等)は、第3項の審査に必要な請求に応えなければならない。































   (会議及び委員の義務)
第9条  審査会の会議は、原則として公開とする。ただし、必要により非公開とするとき又は審査結果に利害を有する者の膨張の許可は、出席議員の3分の2以上の同意を要する。

2  委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。また、その職を退いた後も同様とする。


  (住民の審査請求権)
第10条 住民は、第4条、第5条又は第6条に違反する行為があると認められる事案を知ったときは、法第18条に定める選挙権を有する者の30人以上の者の連署を持って、これを証するもの又はその根拠となる理由を資料として添付し、市長等に係わる事案については議長に、議員に係わる事案については市長に、審査請求をすることができる。

2  前項の審査請求がなされたときは、市長等に係わる事案については議長が市長を通じて、議員に係わる事案については市長が、審査請求書及び添付市長の写しを請求された日から10日以内に審査会に送付し、審査を求めなければならない。

(審査請求の処理)
第11条 審査会は、前条第2項の規定による審査請求書の送付を受けたときは、送付された費から60日以内に市長に審査結果を文書により通知しなければならない。ただし、60日以内に審査が終了しないときはその理由を付して市長に、文書により審査期限の延長を求めなければならない。この場合において、審査期限の延長は30日以内とする。

2  前項の通知を受けた市長は、審査期限の短縮を求めることができる。
3  市長は、審査会による審査結果の通知を受けた日から5日以内に通知書の写しを審査請求者及び審査対象者に送付するとともに議会に報告しなければならない。

第4章 違反の措置

 (遵守事項違反に関する措置)
第12条 審査の結果、審査会において第4条、第5条の規定に違反しているとの結果が出た場合は、市長は、その旨を市広報等で公表するものとする。

2  前項の場合において、市は、当該契約を解除しなければならない。また、第4条第4号に違反しているとの結果が出た場合は、契約を解除した費から、1年間、当該企業と契約してはならない。

(その他政治倫理基準に反する行為に関する措置)

第13条 その他この条例に定める政治倫理基準に反する行為をした疑いがある場合は、市長は、審査会に調査を依頼しなければならない。
2  前項の依頼については、議員に係るものについては、議長が市長を通じて行うものとする。
3  審査会においてこの条例に違反しているとの結論が出た場合は、市長は、その旨を市広報等で公表するものとする。

 (職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)
第14条 市長等又は議員が、刑法第197条から第197条の4までの各条または第198条に定める贈収賄罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑による逮捕後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長若しくは審査会の会長(以下「会長」という。)に住民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。


(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第15条 市長等又は議員が職務関連犯罪による起訴後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議員若しくは会長に、住民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明しなければならない。

2  住民は、前条又は前項の規定による説明会が開催されないときは、法第18条に定める選挙権を有する者の30人以上の連署を持って、説明会の開催を請求することができる。
3  前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては基礎語又は不起訴の処分がなされるまでの間に、起訴後の説明会にあっては起訴された日から50日以内に、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長を通じて行うものとする。
4  市民は、説明会において当該市長等又は議員に質問することができる。
5  市長は、説明会の開催に関して審査会にあらかじめ諮問し、意見書の提出を求めなければならない。
6  議員に係る意見書については、市長は、その写しを議長若しくは会長に送付しなければならない。

(職務関連犯罪による有罪判決後の説明会)
第16条 前条の規定は、市長等又は議員が同上の罪による有罪判決の宣告を受け、なお引続きその職にとどまろうとする場合に準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。

(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)
第17条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長等又は議員は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、必要な措置をとるものとする。
 

2  議会は、前項の議員に対して法第134条及び第135条の規定により懲罰を化さなければならない。

   (逮捕後の給与、報酬の支払いについて)
第18条 職務関連犯罪の容疑による起訴後、市長等又は議員が、なお引続きその職にとどまっている場合において、起訴された費から失職又は辞職するまでの間、支給されるべき給与又は報酬は、供託するものとする。

 2  前項の供託金は、市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、市に帰属するものとし、無罪が確定した場合においては、当該市長等又は議員に帰属するものとする。

第5章 雑則

(委任)
第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し、必要な事項は、市長が別に定める。
   附則
   (施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第6条第3号の規定は平成19年5月1日から、第5条第4号の規定は公布の日から1年を経過した日の翌日から施行する
   (検討)
2 この条例の施行後2年以内に、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
































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